第1章 出発前に

1-1 ドイツの大学からの通知
1-2 当座の生活費(シティバンク、国際キャッシュカード)
1-3 PCおよび電化製品について
1-4 その他の持参品
1-5 ドイツ留学準備/留学後に役に立つ情報収集源

1-1 ドイツの大学からの通知

受け入れ先の大学から入学許可通知(Zulassungsbescheid)が送付されてくる時期は、大学によってまちまちです。早ければ7月初旬、遅ければ9月下旬の可能性もあります。日本で一人暮らしをしている場合、下宿を引き払ったあとに通知が届くことも考えられますから、郵便物の転送手続きを行っておくか、最初から通知の送付先を実家(あるいは住所変更の予定のない親戚や知人の家)にしておくのがよいでしょう。また、通知はDAAD東京事務所を通じて送付されることもあれば、大学から直接個人宛てに送付されることもあります。通知に関して、疑問や催促、送付先変更の願い等があれば、各大学の留学生担当局(Akademisches Auslandsamt, 以下AAA)に直接連絡を取ることも必要でしょう。その際、E-Mailや手紙での問い合わせに、返事が遅かったり来なかったりすることも考えられますが、一度であきらめずに何度か繰り返してみてください。


1-2 当座の生活費(シティバンク、国際キャッシュカード)

生活費をどのような形で持参するかですが、以前はシティバンク (City Bank)に口座を開設しある程度まとまった額を振り込んでおくのが一般的だったようです。しかし、日本のいくつかの銀行あるいは郵便局で国際キャッシュカードが用意されている現在、それを利用するほうが手続きが楽かもしれません。住友銀行の例ですが、1500円の手数料で国際キャッシュカードに切り替えることができます。<PLUS>マークのあるCD・ATMであれば、このカードで現金を現地通貨で引き出すことができます。ただし、ドイツからの入金はできません。なお、1件につき200円程度の手数料がかかるので、ある程度まとまった額をいっぺんに引き出すのが賢明かと思われます。シティバンクの場合、手数料はかかりませんが、口座に月平均で、ある定められた金額以上の預け入れが無いと月額2,100円の口座手数料が取られます(http://www.citibank.co.jp/cbol/charge/charge_j.pdf 参照)。また、同じ感じの国際キャッシュカードではセゾンカードに郵便貯金と提携したものがあります。自分の郵便貯金口座から直接お金を引き出すことができます(1件あたり手数料200円)。年会費は無料(VISA, MasterCard, JCBは年会費無料。AMERICAN EXPRESSは3150円) 郵便局でも申し込めます。

シティバンクに関しても、郵便貯金と提携したものがあります。郵便局に口座を持っていればシティバンクのWorld Cashのサービスを受けられるというものです。このカードにはそのほか、JALのマイレージカード機能もあります。郵便局に申込書があります。

キャッシュカードに付随するクレジット機能について。ドイツではクレジットカードが利用できない店も多いですが、それでもホテルの予約に必要であったり、インターネットを介して電車や飛行機のチケットを購入できるなどの利点があるので、ひとつあると重宝すると思います。なお、JCBの海外での普及率は今ひとつなので、MasterCardかVISAを選ぶほうがカードを生かせると思います。また、非常事態にキャッシングという手段も使えます。

トラベラーズチェック(TC)はたとえEuro建てでも、一度銀行などで現金化する必要があります。この現金化の場合にも手数料がかかりますので、安全料と割り切って使う以外はあまりお勧めできません。


1-3 PCおよび電化製品について

日本の電化製品を持参する場合、その製品がヨーロッパの電圧(220V)に対応していなければ変圧器が必要です(注1-3-1)。複数の差込口のついたタップも持参すると便利です(ドイツでも買えます)。日本とはプラグの形状が異なりますので、変換プラグも忘れずに。最近のノートパソコンなどのACアダプタは世界対応(100-240V)になっているので、現地でもそのまま使えます。しかし変圧部とプラグの間のコードについては通常日本仕様(100V対応)なので、その部分を現地で調達する方がより安全かもしれません(ただしコードが問題になったという事例はあまりないようです)。変圧部とプラグの間のコードは日本の電気店で購入できます。

パソコン(以下、PC)を使われるなら、日本からノートPCを持参されることをお勧めします。その際、精密機器なので手荷物としてドイツに持っていかれたほうがよいでしょう。本体をドイツで購入する手もありますが、ノート型は日本で買うより遥かに高くつきます(デスクトップ型は日本並みの価格と思っていいでしょう)。日本語版のOS(Windows 98/2000/XP など)やソフトウェアはドイツではまず手に入らないと思ってください。

出発前にHDDのパーティションを区切って、システムコマンダーなどのブート切り替えソフトを使って日本語版とドイツ語版のOSを共存させることも可能ですが、障害が起きる可能性が高いので避けたほうが無難かもしれません。原因はわかりませんが、おそらくOS側での文字コード処理に起因するものだと推測されます(注1-3-2)。

特にノートPCはメーカーが独自の機能をつけたりカスタマイズしていたりすることもあるので、なおさらデュアルブートは避けた方がいいです。したがって、 2つのシステムを安全に平行利用したい方は、あらかじめ(物理的に)複数のHDD(ハードディスク)を用意して、その都度入れ替えて使用するか、ドイツ語版専用のPCを調達するかのどちらかになると思われます。

ドイツ語のマシンで日本語のOSを簡単に使用する1つの方法として産総研が開発したKnoppixがあります。これはCDから起動可能な日本語OSで、ドイツ語OSの入ったマシンでも簡単に日本語環境を構築できます。詳しくは付録AのO氏のコメントを参照してください。

日本語版システムにドイツ語版の(オンラインソフトを含む)ソフトウェアをインストールすることはやめた方がいいでしょう。システムファイルが壊れ、最悪の場合起動すらできなくなってしまう可能性があります。実際、Deutsche Telekomから配布されるインターネット接続ソフト(T-Online Software)をインストールしてコンピュータに異常が生じた例があります(2004年度)。接続ソフトを使わない設定の仕方としては付録Iに一例を載せておきます。

なお、ドイツ語の書き物を円滑にするために、ドイツ語の辞書ツールを日本語版ワープロにインストールする場合も考えられます。MSワードを使っている方は、米Alki社のウェブサイト(http://www.alki.com/ あるいは http://www.proofing.com/)よりドイツ語のスペルチェッカならびに文法チェッカ(Proofing tool)を購入することができます。ただし、安全性は確認されていませんので、導入は各自の責任でお願いします。筆者の環境(SONY PCG-N505 + MS Word 98 + Proofing tool German)では問題なく動いています。ドイツ語のオンライン辞書ツールで便利なものにLEOがあります(http://dict.leo.org)。

プリンタですが、持参するか現地調達するか、大学の計算機センターを使うか悩むところでしょう。現地調達の場合でも多くの場合は問題なく動きます。問題はプリンタドライバ (プリンタをパソコンから動かすためのソフト) ですが、英語版のドライバを入れればたいてい大丈夫です。ですから、荷物の量と相談して決めればいいかと思います。

その他コンピュータ関連で必要と思われるものを付録Bに挙げておきます。


1-4その他の持参品

季節の変わり目の微妙な時期に出発される方は、当座の衣類は冬物を中心に持参し、夏物は現地で買い求めるのが効率的だと思います。

個人の感覚の問題になりますが、ドイツで手に入る文房具は必ずしも日本人にマッチしないので、お気に入りの文房具(先の細いボールペンなど)をスペアを含めて持っていくといいかもしれません。なお、日本で売っているボールペンの替え芯は、ドイツではほとんど見つからないので、これもあわせて持参するといいでしょう。肌や内臓が敏感な方は、適当な代替品が簡単に見つからない場合に備え、使い慣れた基礎化粧品や医薬品などを多めに持参することも大事です。また、ドイツ人に限らず様々な国の人と友達になる機会があると思うので、その相手の国の歴史を知るために世界史図表が一冊あれば便利かもしれません。

簡単なドイツ語(場合によっては英語)の履歴書を出発前に作っておくと、ドイツに行ってからいろいろな手続きのときに流用できて重宝します。また、ドイツで学位を取得しようと考えておられるなら、日本にいる間にできるかぎり暇を見つけて、これまでの研究成果(たとえば修士論文など)をドイツ語に要約したものを作成しておかれることをお勧めします。


1-5 ドイツ留学準備/留学後に役に立つ情報収集源

『ドイツ暮らしの情報誌 Ach so(あっそう)』という冊子も、ドイツ生活全般について知るのには便利なものです。ミュンヘン、デュッセルドルフなどの個別都市での生活については、日本貿易振興会(JETRO)が出している本『ミュンヘンに暮らす』『デュッセルドルフに暮らす』も参考になります。

そして、インターネットは情報の宝庫とも言えます。以下、我々の間でも良く知られた便利なHPについてご紹介します。

【留学】
・2004年奨学生O氏(ドレスデン工科大学)の体験記 http: //www.geocities.jp/yurukio/index.html
・ドイツは留学天国 http://www.goukaku.to/germany/
掲示板である「留学質問箱」の過去データには貴重な体験談がいっぱい。DAADに手続きをいろいろやってもらえる我々にも、役に立つ情報はたくさんあるはず。
・DAAD(本部)  http://www.daad.de/index.html
・DAAD(東京)  http://tokyo.daad.de/
・ゲーテ・インスティテュート(ドイツ)http://www.goethe.de/dindex.htm
・ゲーテ・インスティテュート(東京)http://www.goethe.de/os/tok/jpindex.htm

【生活】
・ドイツ生活情報
  http://members.aol.com/NITTASeigo/g/
ドイツの生活関連に関する各項目(荷物輸送、関税、免許、料理、観光などあらゆる分野)をここのMLの投稿をもとに見やすくまとめてある。かなり充実。
・安い電話(ドイツ国内、国際電話)
  http://verivox.de/Home/Index.asp
ドイツ国内電話、日本との国際電話を自分の都市からの市外局番から安いもの順にリストアップしてくれるページ。同様のHPは複数存在。
http://www.teltarif.de/

http://www.billiger-telefonieren.de/

【住居】
http://www.wohnung.de/
http://www.mitwohnzentrale.de/
オンラインによる部屋探し。

【インターネット接続】

http://www.billiger-surfen.de/

ドイツでプロバイダに加入しなくても、これで検索すれば、申し込みなしのその場でインターネット使用可。1分大体0.5 centから0.8 centくらいと激安です。つながりやすさに差がある場合もあるので、ここで見つかるものをいろいろ試してみてください。

【交通】
・ドイツ鉄道(Die Bahn)列車検索  http://www.db.de
ドイツ国内のDBの出発地から目的地までの時刻、時間、料金、接続を瞬時に検索してくれる便利サイト。
・BVG ベルリン市内交通検索  http://www.bvg.de/e_index.html
・KVB ケルン市内交通検索  http://www.kvb-koeln.de/
・ベルリンからの長距離バス  http://berlinlinienbus.de/ort/index1.php

【旅行】
「地球の歩き方」  http://www.arukikata.co.jp/
旅行ガイドブック「地球の歩き方」のオンライン版。