ドイツの大学システムの概要

  • ドイツの大学
    ドイツの大学は世界中で高く評価されています。ドイツは最も人気のある留学先の一つであり、ドイツの大学は、世界中の大学にとって最も望ましい提携相手とされています。
    外国人学生が約320,000人(=ドイツの全学生の12%)を数えるドイツは、留学生にとって米国、英国、フランス、オーストラリアに次ぐ世界第5位の人気を誇る留学先となっています。
    近代的かつ革新的
    ドイツの大学は、革新と進歩を大きく推進しています。ドイツのノーベル賞受賞者数は、化学・物理・医学の各分野の70名強をはじめ80名を超えていますし、この16年だけでも9名が受賞しています。
    何世紀も前から続く高い業績
    ドイツの大学には長い伝統があります。1386年にはすでにハイデルベルクに最初の大学が設立され、それ以来、絶えず発展を続けてきました。改革者ヴィルヘルム・フォン・フンボルト(1767~1835)の理念は非常に画期的なものでした。中でも研究と教育の一致という彼の理念は、今日に至るまで各大学で実践されています。
    国際志向
    ブリティッシュ・カウンシルの研究 “Global Gauge” によれば、ドイツは大学の国際化という点で世界一とされています。目標は、学生の半数以上が在学中に海外留学を経験することに置かれています。
    信頼できるパートナー
    ドイツの大学は、活発な活動を通じて、国際レベルでの提携や2か国の大学間協定、国際交流プログラム、共同教育課程、対等なパートナーシップを構築しています。
    世界140か国以上の約4,100の大学との間に20,000件を超える提携関係が結ばれています。
  • 大学の特徴
    全国175か所の415校に280万人の学生が通学しているドイツの大学の特徴は、その驚くべき多様性です。

大学は、大きく次のように分けられます。

  • 学術研究のための総合大学 (Universität/university)
  • 実地志向の勉学のための専門大学 (Fachhochschule/university of applied sciences)
  • 芸術を学ぶための芸術大学、映像大学、音楽大学

国立か私立か
ドイツの大半の大学は国の資金で運営されています。そのほかにも、私立大学とカトリックまたはプロテスタントの教会が運営する大学があります。

ドイツのBMBFによると、2016/2017年冬学期現在、総合大学は106校、専門大学は207校、芸術大学、映像大学および音楽大学は51校です。また、国立の大学は238校、私立大学125校、教会立大学38校です。

授業料
大半の学生は国立大学に通学しています。州にもよりますが、国立大学では、入学後初めて専攻する学修課程や多くの修士課程の授業料は、無料またはかなり低額(1学期あたり500ユーロ以下)に抑えられています。しかし、特に最初の課程(Bachelorなど)と専攻が異なる修士課程(non-consecutive Master programmes)の中には、1学期(つまり半年)あたり10,000ユーロを超えるような高額の授業料が発生することもあります。私立大学でも、かなり高額の授業料が必要になることがあります。詳しくはこちらへ

質とランキング
教育の質はどのタイプの大学でも同じようにハイレベルです。どの学科も一貫して高い水準にあります。大学とその授業の質は、中立の立場の認定機関によってチェックされています。
大学間の質の差がそれほどないので、ドイツにおいてランキングはさほど大きな意味を持っていません。最も広範なランキングはCHE大学ランキングです。

エクセレンス・イニシアティブ
連邦政府は2005年、ドイツの大学における学問と研究を推進するために、連邦諸州と共同でエクセレンス・イニシアティブという支援プログラムを開始しました。
2017年末まで、合計約46億ユーロが以下の研究機関等に提供されます。

  • 学問領域における後継者育成のための大学院
  • 先端研究推進のためのエクセレンス・クラスター
  • 大学における先端研究をプロジェクトベースで確立するための将来構想


エクセレンス・イニシアティブ:将来構想の支援策
アーヘン工科大学、ベルリン自由大学、フライブルク大学、ゲッティンゲン大学、 ハイデルベルク大学、カールスルーエ技術研究所、コンスタンツ大学、ミュンヘン大学、ミュンヘン工科大学は、すでに2006年または2007年から、エクセレンス・イニシアティブの一環としてサポートを受けています。
2012年に選定校が確定する次期エクセレンス・イニシアティブでは、すでにサポートを受けている大学のほか、さらにベルリン・フンボルト大学、ボーフム大学、ブレーメン大学、ドレスデン工科大学、ケルン大学、マインツ大学、テュービンゲン大学の7校がそれぞれの将来構想を掲げて最終選考に残っています。

大学の課程
ドイツは、ボローニャ・プロセスの一環として、約50の国々と共に単一の欧州大学圏を創設しようという取組みに参加しています。15年以上前から続くこの大学改革プロセスは、学業修了資格を欧州レベルで比較可能にして学生の移動を容易にするため、1999年に開始されました。この改革の一環として、たとえばドイツでもバチェラー(学士号)とマスター(修士号)が導入されています。

ドイツの大学は、あらゆるニーズや教育レベルに適した講座を提供しています。

講座数は18,000以上、そのうち

  • 約10,000の課程は 新入生向け
  • 約8,000の上級課程

これらの課程は、すべてwww.study-in.deのデータバンクに掲載されています。

国際的に認識される修了資格
ドイツの大学は、様々な修了資格を得られる学修課程を提供しています。

バチェラー(Bachelor)(文学士(B.A.)、理学士(B.Sc.)など)

  • 最初の学位
  • 6~8学期間の基礎課程

マスター(Master)(文学修士(M.A.)、理学修士(M.Sc.)など)

  • 2番目の学位(バチェラー取得後)
  • 2~4学期間のより高度な学修課程

国家試験(Staatsexamen)

  • 医師、薬剤師、弁護士および教師のための国家資格

ディプローム(Diplom)

  • 自然科学、工学、経済学、社会科学の分野における学位
  • ディプロームは多くの場合、マスターに相当します。
  • 現在では、大半のディプローム課程はバチェラーとマスターに置き換えられています。
  • 工学系の学科の中には、工学修士の学位としてディプロームとマスターのいずれかを選択できるところがあります。

博士号

  • 総合大学もしくは専門大学でのマスター取得、国家試験またはディプローム取得後の学位
  • ドクター(博士)という称号の授与
  • 約4~10学期間の学修課程と独自の研究論文の作成

www.daad.de/international-programmesでは、大半は英語で履修できるバチェラー、マスターまたはドクター用のインターナショナル・プログラム約1,800件が掲載されたデータバンクが公開されています。

博士号取得のルートは2種類

ドイツの大学で博士号を取得するには基本的に次の2つの方法があります。

1. 博士号の個別的取得 2. 構造化された課程での博士号取得
研究論文のほとんどを自由に自己決定して書き上げます。
さらに、自身の適格性と研究理念を指導教授(Doktorvater / Doktormutter)に了承してもらう必要があります。
若手研究者を育成するための課程で博士号取得を目指します。たとえば以下のようなものがあります。
Graduiertenkolleg / Research training group (大学院共同コロキウム) 大学での時限的な研究プログラム。複数の研究者が参加するプロジェクト(多くの場合学際的)に参加し、その一環として博士論文を執筆します。
Graduate school(グラジュエート・スクール) 大学の常設機関で、大半が英語の博士養成プログラムを実施しています。
International Promotionsprogramme / International doctoral programme(インターナショナル・ドクター・プログラム) 総合大学および複数のマックス・プランク研究所やヘルムホルツ・センターで特に外国人の博士号取得希望者のニーズに合わせて作られたプログラムであり、大半は英語で実施されます。

要件と規則
留学の現実的な可能性

大学への入学と入学許可
大学入学に際して外国で発行された証明書(卒業証明書や成績証明書など)が一般的にどのように評価されるかについての概要は、www.anabin.deに掲載されています(日本の学校制度で教育を受けられた方は、「ドイツ留学FAQ」もご参照ください)。さらに大学は、入学許可に関して独自の規則を設けることができます。特に修士課程では、特別な要件や追加試験を行うかどうかを各大学が自ら決定します。したがって入学希望者は、個々の大学で、または個々の専攻課程に対して細かく適用される規則について志望校に問い合わせなければなりません。

語学力
ドイツの大学で留学生がどのような語学力を必要とするかは、選択した学科によって異なります。

  • インターナショナル・ディグリー・プログラム:特に豊富な英語の知識が必要です。
  • そのほかの学科:豊富なドイツ語の知識が必要です。

ドイツ語力は、たとえばTestDaF(テストダフ/ドイツ語統一試験)などの統一試験によって証明することができます。TestDaFは日本国内では獨協大学東京ドイツ文化センターで受験できます。

入国

日本国籍を持つ方は、原則的に、日本でビザを取得していくのではなく、ドイツに入国してから滞在地の外国人局で直接申請することになります。その際に必要な書類はドイツ大使館・総領事館のホームページをご参照ください。

日本国籍以外の方は、ビザ申請方法についてドイツ大使館または大阪神戸総領事館のホームページをご参照ください。

ビザについてのご質問は、新潟県、長野県、静岡県以東の東日本地域にお住まいの方はドイツ大使館に、富山県、岐阜県、愛知県以西の地域にお住まいの方は大阪神戸総領事館にお願い致します。

資金
各留学生は、ドイツ留学のための資金が保証されていることを証明しなければなりません(財政証明: Finanzierugsnachweis / proof of financial resources)。通常は、1年当たり約8,000ユーロ以上用意できることが求められます。詳しくはドイツ連邦共和国大使館・総領事館の学生ビザをご参照ください。

留学生向けサービス
適切な助言と奨学金

十分な設備のあるドイツの大学は、学業で成果を挙げるための最適な条件を提供します。学生は、未来の研究者として期待されると同時に手厚いサポートを受けています。

サポート
各大学に設置されている留学生課(International Office)は、留学生が抱えるあらゆる問題を解決する手助けをします。留学生では、勉学の機会や入学許可の条件に関する情報が得られるほか、入学準備、住居探しや、ありとあらゆる手続に際して具体的なサポートが提供されます。

行動規範(Code of Conduct)
ドイツの大学の多くは、外国人留学生への対応を定めた国内コード(行動規範)に同意しています。この規範は留学生へのサポートをより一層改善することを目的としています。この規範には、特に以下のことが定められています。

  • 留学生に対してどのように情報を提供し、サポートすべきか
  • 留学生の入学許可をどのように決定するか
  • 留学生はどのような専門的・語学的・社会的サポートを期待できるか

この規範は共通の最低基準を定めていますが、どの留学希望者もその遵守を期待することができます。

奨学金
ドイツ留学に対しては、様々な助成方法が用意されています。大半の奨学金は助成機関や財団から提供されます。また大学にも奨学金制度がありますが、他国と比べれば、その数はむしろ少ない方です。ドイツの奨学金提供機関が留学生に対して入学から卒業まで助成することはまれですし、また、新入生に対して助成することも通常はありません。
日本人の方が個人で応募できるDAAD奨学金についてはtokyo.daad.de/wp/ja_pages/jp_scholarship/をご参照ください。

奨学金データバンク
留学生向けの奨学金は、DAAD奨学金データバンク(www.funding-guide.de)で検索できます。

高等教育政策
自由と柔軟性

教育は州の専管事項
ドイツは連邦国家であり、16の連邦州にはそれぞれに独立した州政府が存在します。中でも教育政策は州の専管事項です。したがって各州には独自の大学法も設けられています。

高等教育大綱法
州は、学術政策と高等教育政策の策定に際して大きな裁量の自由を有しています。しかし、全国レベルで適用される法律、すなわち高等教育大綱法(HRG)が、各州に対して一定のベースラインを定めています。

各州文部大臣会議(KMK)
教育、学問および文化を所管する各州の大臣は、各州文部大臣会議で密接に協力し合っています。各州の大臣は、この会議の中で教育政策上の重要問題を全国レベルで調整します。

大学学長会議(HRK)
ドイツの大学の多くは大学学長会議のメンバーとなっています。大学学長会議は、政界や公衆に対する大学の発言機関です。

自由裁量の余地
大学はほとんどのことを自主的に決定するため、多くの事柄は一律に規定されてはいません。多くの問題は、実際の大学に直接コンタクトしない限り解明されません。

重要リンク一覧
www.study-in.deドイツにおける勉学と生活、すべての課程を収録したデータバンク
www.daad.de/international-programmes英語で学ぶバチェラー、マスター、ドクター課程
www.funding-guide.de奨学金データバンク

TOP