27.03.2012

電気自動車から宇宙太陽光発電まで – DAAD友の会が提供する議論の場

by Dunkel

banner-01

DAAD友の会が毎年若手研究者を招いて主催している日独フォーラムが、3月16日より八王子セミナーハウスで、開催されました。昨年は東日本大震災の影響を受け、日独フォーラムの開催が中止されましたが、福島と震災復興を次回フォーラムの主要議題とすることが昨年の月に決まりました。原発事故以降、環境問題やエネルギー政策に関心が集まっており、未来を見据え、これらの議題が選ばれました。

3日にわたるセミナーのハイライトは、17日に行われた招待講演者2名による日独それぞれのまったく異なる立場からの「環境」への取り組みに関する基調講演でした。東健太郎立命館大学准教授は、経営学的にみると日本とドイツには大きな共通点があり、電気自動車の分野で日独の自動車産業が協力できると指摘しました。共同研究により成果があがると期待しているのです。ドイツが現在取り組んでいる環境を配慮したプロジェクトのあり方を、走行に重点をおいた日本の自動車開発に取り入れてもよいのではないか、という意見でした。

一方、三星ダイヤモンド工業株式会社で、宇宙太陽光発電利用について研究しているクリスチャン・シェファー(Dr.Christian Schäfer)氏は、宇宙太陽光発電がいかに環境にやさしいエネルギー獲得方法であるかを、次のように参加者にわかりやすく説明しました。「化石燃料はいずれ枯渇し、これまでに利用されてきた風力や水、太陽熱などのクリーンエネルギーも稼働時間に制約がある。しかし、宇宙太陽光発電は太陽のエネルギーを直接取り込むことができ、大気への影響もなく24時間安定したエネルギーを供給できる。さらに宇宙太陽光発電を利用すれば、石油やガスの供給国への依存度を低下させることができるため、政治的にも新たな展開が期待できる。」


これらのテーマは、引き続き行われたパネルディスカッションや、グループワークでもあらためて取り上げられました。講演で聞いたことをより広い視点から見直し、自分の意見をまとめて発表し合うのがその主な目的です。


ドイツ語と日本語で活発な討論


討論はまず、日本とドイツの原子力政策の比較から始まりました。さまざまな例が挙げられたことで、日独の考え方の違いがよくわかりました。織田正雄DAAD友の会顧問は、ドイツの工業規格が安全を主眼においたものであるのに対し、日本の

span style=”font-family: "MS 明朝","serif";” lang=”JA”>は品質を重視したものであると説明しました。この例のおかげで、両国の政策の違いが理解しやすくなりました。

DAAD元奨学生のドイツ人と日本人の他、今年ドイツに留学予定の奨学生が参加していたので、異なる国、異なる専門分野からの様々な意見を聞くことができました。クラシック音楽分野での博士号取得者や物理学者、建築家らが、今後のエネルギー獲得方法や新たなアイディアを発表しました。


意見交換を目的としたこのフォーラムでは、文化の違いにも触れ、環境問題に対する日独の協力の可能性を探ることもできました。また、言語面でも、ドイツ人は日本語で、日本人はドイツ語で意見を発表するというバランスが保たれました。加えて、参加者は自分の研究について外国語の文章で発表する機会も与えられています。日独フォーラムでの研究発表を文章ににした日独英三か国語の「日独研究論集」が秋に刊行される予定です。


国際交流とネットワーク形成

DAAD元奨学生でテュービンゲン大学に留学していた広島大学の水野陽一氏は、ドイツでの部屋探しの問題やドイツ人同僚の好意などのエピソードをふまえ、ドイツ留学時の日常生活に関するアドバイスをしてくれました。


プログラムがうまく組まれていて、初日に参加者全員が自己紹介する機会があったことで、これからドイツに留学する今年度の奨学生もその後の自由討論に参加しやすくなりました。自由討論では、福島の災害が今もなお住民を苦しめ続けていること、多くの学生がエネルギー政策について考えを新たにしていることが印象に残りました。



DAAD 東京事務所翻訳