出願資格

ドイツの大学に出願する際には、充分な学力および充分なドイツ語力(授業言語がドイツ語の場合)を証明する必要があります。以下は全般的な説明であり、日本人にあてはまらない場合もあります。日本で教育を受けられた方は、ドイツ留学FAQをご参照ください。合否の判断は大学が個別に行いますので、出願資格をすべて満たしていても入学が保証されるわけではありません。

学力の証明
大学入学資格(Hochschulzugangsberechtigung)
 ドイツの大学で学ぶには、大学入学資格として認められた中等教育の修了証明書の提出が必要です。芸術学部では特別な才能があれば大学入学資格の有無を問わない場合もあります。いずれにせよ各大学の学科ごとに個別に正確な情報を確認することが大切です。
 たいていは、母国で大学入学資格とされる中等教育課程の修了証明で間に合いますが、母国の大学ですでに1年ないし2年間学び優秀な成績を修めているなど他の資格証明が必要になる場合もあります。(日本人の場合についてはドイツ留学FAQ参照)
 州文部大臣会議に置かれる「国外教育事情認定センター」(ZaB)では、外国の大学などの履修証明を評価するための推奨情報を公表しています。ドイツのほぼすべての大学がこれを入学資格の判断基準としており、多くの州がこれを入学資格の最低条件として法律に規定しています。手元の証明書がドイツでどう評価されるかはDAADのホームページのZulassungsdatenbankや、www.anabin.deでも調べられます。

TestAS (Test für Ausländische Studierende / Test for Academic Studies)
2007年より、留学希望者が、ドイツの大学で勉学するために充分な能力を備えているかを自らテストするためのTestAS が導入されました。(ドイツ留学よくある質問も参照してください)この TestAS は主に世界中におよそ350ある TestDaF センターで、春に受験できる予定です。このテストの結果を見て、留学希望者は、ドイツの大学への留学が果たして自分にとって正しい選択であるかを自分で判断することができます。また、優秀な結果であれば、ドイツの大学への入学が許可される可能性が高まります。
TestAS は、短い語学テスト(ドイツ語または英語)、一般的なコアテスト、専攻別のテスト(現在は経済学と工学)の3つの部分に分かれています。この短い語学テストを、ドイツ語または英語の能力を示す検定試験(充分なドイツ語能力を示す証明書参照)として利用することはできません。

大学入学資格検定試験(Feststellungsprüfung)と大学入学準備課程(Studienkolleg)
 現在お持ちの修了証明書が大学入学資格に不十分な場合には、本来は母国の大学で1年ないし2年学ぶ必要がありますが、一定の条件*を満たしていればそれに代えてドイツで大学入学準備課程(Studienkolleg)に通い大学入学資格検定試験を受けることが可能です。この試験に合格すれば、大学入学に必要な予備知識があるものと認定されます。
*日本人の場合、短大または高専を卒業して、それまでの専攻とは違う専攻でドイツの大学に留学を希望する場合など。

 この試験は専攻科目の学習に重要な2〜3教科で行われ、たとえば医学を学びたい場合には生物、化学、物理で受験することになります。また、大学の授業に必要な語学力のレベルに達しているかをテストするドイツ語試験が必須科目となっています。
 総合大学と専門大学に設けられている大学入学準備課程には様々なコースがあります。どの専門コースを選択するかは志望学科によります。

 芸術系の大学では付属の大学入学準備課程を設置していないため、近くの大学の芸術系のコースに参加することになります。
 専門コースでは、検定試験で受験する科目の授業を受けます。これには語学の集中コースも含まれますが、専門コースに参加するには欧州評議会の語学力評価基準でB1レベル(ゲーテ・インスティテュートのZertifikat Deutsch für Jugendlicheに相当)に相当するドイツ語の知識が必須条件となっています。大学入学準備課程の専門コースは基本的に2学期間ですが、1学期目に優秀な成績を修めた場合は1学期修了時に検定試験を受けられます。授業は週に約32時間、固定クラスで行なわれます。授業には出席の義務があります。授業料は基本的に無料ですが、コース参加者は学生と同様に共済費(生活費と学費参照)を支払う必要があります。

大学入学準備課程の授業時間
(専門大学の工学、エンジニアリング科学系向けの場合の1例)
科目 授業時間(週)
ドイツ語 11
物理 6
数学 5
英語 4
製図 2
情報工学 2
週の授業時間数32

充分なドイツ語能力を示す証明書(ドイツ留学FAQもご参照ください)
 ドイツの大学では、わずかな例外(英語による履修課程)を除いて、ドイツ語で授業が行なわれます。留学志願者には、十分な学力に加えて、授業に必要なドイツ語の知識が求められます。講義を理解し、専門の文献を読み、自ら論文を執筆し、専門的なテーマをそれにふさわしいドイツ語で論じる必要があります。
 ドイツの大学に留学を希望する場合は、ぜひ母国でできる限り高レベルのドイツ語力をつけてください。ドイツの大学では多くの場合無料の語学コースが提供されていますが、最近は有料とする大学も増えています。このような語学コースには定員があります。大学以外にも入学準備向けのドイツ語コースを提供する機関がありますが、これらはすべて有料です。留学志願者は原則として検定試験でドイツ語の能力を証明することになっています。ドイツ語の初心者は、検定試験準備コースを受講してから検定試験に臨むのがよいでしょう。

 ドイツ語圏以外の国の出身で、専門大学または総合大学に入学を希望しているが、大学入学検定試験合格をもって修了する大学入学準備過程を修了していない場合、次のいずれかの試験を受けなければなりません。

  • Test DaF(Test "Deutsch als Fremdsprache"「外国人としてのドイツ語検定試験」)(日本では現在 東京ドイツ文化センターおよび獨協大学で受験できます)
  • DSH(外国人大学入学志願者ドイツ語試験)(ドイツの大学で受験します)

  • しかし、次のいずれかの資格をもっている場合は、基本的に上記の試験が免除されます。

  • DSD(州文部大臣会議により定められたドイツ語ディプローム)のレベル2
  • ゲーテ・インスティテュート**のZOP(ドイツ語上級統一試験)
  • ゲーテ・インスティテュート**のKDS/GDS(小/大ディプローム試験)
  • ドイツの認可を受けた外国のドイツ学園でのアビトゥーア(Abitur)

  • **日本では東京大阪京都で受験できます。

     交換留学生、1学期だけの短期留学志願者、博士号取得志願者、あるいは英語で授業を行う履修課程の学生については、ドイツ語能力の証明が不要な場合もあります。
     また、上記の各種試験の合格証明書は、入学許可申請時に間に合わなくてもよい場合もありますが、学生登録までには提出する必要があります。
     芸術系の大学では要求される語学力のレベルがそれぞれに異なり、DSH や TestDaF が必要なところもあれば、それより低い語学力で認められる大学もあります。
     このように大学によって条件や対応がまちまちですので、必ず志望する大学の留学生課またはホームページで早めにそれぞれの規定を調べてください。

    TestDaF(Test "Deutsch als Fremdsprache")
     TestDaFは標準化されたドイツ語の試験で、ドイツおよび世界80ヶ国の認可を受けたテストセンターで実施されています。この試験は、大学で勉強するための十分なドイツ語の能力が備わっているかどうかを問うもので、筆記試験と口述試験があります。
     TestDaFはDSHと違って、母国で試験が受けられるので、大学への入学許可に必要な書類をすべて揃えてからドイツへ旅立つことができます。(日本では現在、 東京ドイツ文化センター獨協大学で年2回ずつ実施されています。)
     試験の結果は3段階(TDN3、4、5)にレベル分けされます。4項目のすべてが中級レベル(TDN4)以上であれば、大学入学レベルに達しているとみなされます。成績がTDN3の科目があっても入学が許可されるかどうかは、それぞれの大学の規定によります。この点に関してはそれぞれの大学の留学生課で早めに調べておきましょう。
    受験料や日程、申込み期限は、ご自分が受験するテストセンターでご確認ください。
       http://www.testdaf.deには、テストセンターと試験日程のリスト、ならびに万全な試験対策に役立つノウハウが紹介されています。

    DSH(外国人大学留学志願者ドイツ語試験)
     DSH は原則的にドイツでしか受験できません。多くの大学がこの試験を実施しており、基本的に学期の始まる3〜4週間前に行なわれています。試験問題は大学ごとに違いますが、ドイツ全国のすべての大学に適用される枠組み指針に基づいています。DSHにおいても筆記・口述試験を通じて大学での勉学に必要な語学的条件を満たしているかどうかが判定されます。
     試験の結果は DSH-1、DSH-2、DSH-3 の3段階にレベル分けされます。大学への入学許可を得るためには DSH-2 以上の成績をとらなければなりません。留学目的によっては DSH-1 でも許可が出る場合もありますが、その場合は大学の勉強と並行してドイツ語講習を受けるなど別の義務が課されます。要求される語学レベルは、志望大学の留学生課に問い合わせることができます。
     受験料は無料の大学もありますが、有料の場合(最高で150ユーロ)もあります。試験日程はそれぞれの大学が定めています。
     大半の大学が DSH 受験対策の語学コースを開講しています。このような語学コースは通常有料で、その額は大学により異なります。このコースを受講するにも一定のドイツ語レベルが必要とされます。

    参考リンク
    www.daad.de/zulassung
     出願資格に関する幅広い情報。母国での大学入学資格でそのままドイツの大学に入学できるかどうか、あるいは大学入学検定試験の受験が必要かを調べられる。
    www.deutsch-lernen.net
     オンライン学習法、教材、講習の実施機関に関する情報、また認定されているドイツ語試験の一覧
    www.anabin.de
     州文部大臣会議が作成した外国の教育修了資格の認定に関する情報システム。母国における成績証明書の評価についてはオプションの Land wählen (国を選択)から。
    www.goethe.de
     ゲーテ・インスティテュートのホームページ。さまざまなドイツ語の検定試験の情報
    www.studienkollegs.de
     ドイツの大学の大学入学準備課程に関するホームページ
    www.testas.de
     TestAS に関するさまざまな情報。
    www.fadaf.de
     外国語としてのドイツ語連盟(FaDaF)のホームページ。語学試験情報とドイツ語講習の運営団体一覧
    www.sprachnachweis.de
     ドイツの大学に留学するためのドイツ語試験およびドイツ語能力証明書に関する情報
    www.deutsch-uni.com
    ドイツの言語・文化・日常の知識の学習教材を提供する双方向のeラーニング・プラットフォーム