芸術系の大学 (Kunst-, Film- und Musikhochschulen)


芸術系の大学は多くの場合、Kunsthochschule、Musikhochschuleなどと呼ばれますが、Akademieという名前がついていることもあります。名称や構造が一様ではないのは、ドイツにおける芸術教育の歴史や、個々の大学の運営機関の違いによるものです。

芸術系の大学の主な役割は、芸術を発展させ、また、学生に、芸術関連の職業および芸術教育関連の職業のための教育を提供することです。57の芸術系大学においておよそ33000人の学生が勉強しています。

芸術系の大学で学ぶためには非常にすぐれた芸術的才能が必要であり、これは入学前の学歴等の条件より重視されます。

芸術的才能が重視されるため、履修規定にもそれが反映されています。学生の創造力が充分に発揮されるよう、芸術系大学での勉学の構成には、特に造形美術において、かなりの自由度が認められています。

芸術系の大学には、メディア学や芸術学など、学問的な学科または専門大学でも学べる学科が設けられていることがあります。このような学科で学ぶには、総合大学で学ぶ場合と同じ条件が適用されます。

総合大学や専門大学でも、芸術系の学科が設けられている場合があります。入学条件や課程の内容は芸術系の大学の場合と同様ですが、異なる点もあります。総合大学や専門大学で提供される芸術系の課程は、その環境を強みとして、理論、哲学、歴史に重点を置くなど、それぞれ特徴のある課程になっています。

参考リンク

  • www.miz.org
    ドイツにおける音楽教育、音楽の継続教育に関する情報を幅広く提供する。民間の短期コースのデータベースもある。
  • www.hrk.de
    ドイツのどの大学で何が学べるかを検索できるデータベースがある。
  • www-en.studienwahl.de
    連邦雇用庁および教育計画および研究助成のための連邦・州委員会によるドイツの大学情報
  • 出願資格
    学歴
     芸術系の大学へ入学するには原則的に allgemeine Hochschulreife (一般大学入学資格) が必要です(日本で教育を受けた方の場合はドイツ留学FAQを参照してください) 。卓越した芸術的才能がある場合は、一般大学入学資格がなくても、適性試験により入学が認められることがあります。ただしこれは、教職課程志望者には適用されません。

    インターンシップと適性試験
     志願者の芸術的な適性を見定めるために実技試験や大学教員との面接など様々な方式が導入されています。自分の作品のポートフォリオの提出が求められたり、音楽専攻志望者には力量を示す実技演奏が課されたりします。その他の履修課程では数ヶ月間のインターンシップが条件になることもあります。

    課程の構成
     芸術系の大学における従来のディプローム/マギスターの履修課程は総合大学や専門大学と同様に基礎課程と専門課程(総合大学の課程の構成を参照)に分かれています。仮入学期間(2学期)を終えてから、その学部への適性を試験する大学もあります。
     講義、ゼミ、講座の形式で行われる授業もありますが(総合大学の課程の構成を参照)、特に重要なのは芸術的技能と創造力を高める実技演習です。また、個人指導や教員やクラスメイトとの討論・意見交換を行って自己の芸術スタイルを築きます。活発なやりとりが行なえるよう、カリキュラムの多くは固定クラスで行なわれます。また、多くの履修課程で数週間に及ぶインターンシップを必修としています。
     従来のディプロームで修了するシステムでは在学制限期間は大半が8〜10学期です。多くの場合、総合大学と同様に夏学期は通常4月に、冬学期は10月に始まります。
     バチェラー/マスター課程のシステムは基本的に総合大学および専門大学と同じです。

    修了資格

    ディプローム
     芸術系の大学の従来方式の教育では、ディプローム課程に入学して修了するとディプロームが取得できます。そのためにはディプローム論文、口述試験、履修課程の成績、ならびに芸術的な完成度などが要求されます。芸術的な完成度は専攻科目に応じて芸術作品、音楽や演劇などの実演で示します。

    大学独自の修了資格
     大学によっては、試験など特に定まった形式なしに課程を修了できる大学、学生の要望があればディプロームを取得できる大学、あるいは造形芸術の学科に修了証書として「アカデミーブリーフ(Akademiebrief)」を発行する大学もあります。

    国家試験
     ドイツの公立の学校や国の認可を受けた学校における芸術や音楽学校の美術・音楽教師を志望する場合は、国家試験の課程に入学して国家試験を受験しなければなりません(総合大学の修了資格を参照)。

    マイスターシューラー・国家演奏家資格
     ドイツの芸術大学で芸術家として取得できる最高の資格はマイスターシューラー (Meisterschüler)あるいは国家演奏家資格(Staatsexamen)です。これらは大学教育の枠内で卓越した能力の学生や卒業生に授与されるもので、優秀な学生だけが進学できる研究課程(Aufbaustudium)を必修とする大学もあります。マイスターシューラー課程は通常一年間です。

    バチェラーとマスター
     芸術系大学のバチェラーとマスターにはまだ連邦州の統一基準がなく、導入がそれほど進んでいません。もっとも2010年までには大半の履修課程が新しい学位システムに移行する予定です(成績評価についてはECTSを参照)。
     例外は、もともと履修課程が通常とは大きくかけ離れている造形芸術です。いくつかの大学では学部課程とマイスターシューラー課程からなる従来の2段階システムが継続される予定です。