専門大学 (Fachhochschulen)


専門大学は、科学技術の進歩に合わせて将来の職業人の資質を高めるために、1960年代後半から1970年代前半にかけて連邦州により設立されました。専門大学では、経済産業界で求められる実践力に対応できるアカデミックな教育を提供する役割を担っています。

専門大学の課程では、専門分野の勉学および高度な実践力が重視されます。企業やその他の機関で研修を行う研修ゼメスターにおいては、講義で得た知識を実践で発揮します。専門大学では、学生がなるべく短期間でキャリア形成の準備ができるよう、比較的ハードな学修スケジュールが組まれています。

専門大学で学べる学科は主にビジネスや経営、工学、デザイン、社会福祉、保健などで、種類は総合大学の場合と比較して少なくなっています。157の専門大学でおよそ51万7千人の学生が学んでいます。

参考リンク

  • www.fachhochschule.de
    ドイツの専門大学で学べる学科
  • www-en.studienwahl.de
    連邦雇用庁および教育計画および研究助成のための連邦・州委員会によるドイツの大学情報
  • 出願資格

    学歴
     専門大学への入学には原則として専門大学入学資格、またはそれと同等の修了資格が必要です。専門大学入学資格は、たとえばドイツの中・高等学校の第12学年を優秀な成績で修了して実習または見習教育をすることなどにより取得できます。(日本の学生の場合については、ドイツ留学FAQ の「ドイツの大学に入学を申請するにはどのような資格が必要ですか」を参照してください。

    インターンシップと適性試験
     入学前に、専攻学科の内容に関連する予備実習が必要とされるケースも多くあります。最長で1年間のインターンシップ期間が必要とされ、職業教育はこれに加算されます。専門大学にはインターンシップ先の仲介をサポートするインターンシップ生担当局があります。
     専門大学でデザイン、造形、映画、写真、または音楽を学ぶ場合にはその道の芸術的才能を証明しなければなりません。志願者には通常、選考用作品の提出か適性試験が課されます。

    課程の構成
     専門大学の課程は、従来のディプローム/マギスターの履修課程もバチェラー/マスター課程も総合大学と似た構成になっています。ただ、専門大学では多くの場合、少なくとも数週間にわたる研修が組み込まれており、中には1ゼメスター全体が実習という場合もあります。
     専門大学の在学制限期間は8学期です。学期の開始時期は総合大学より1ヶ月早い学校が多く、冬学期は9月、夏学期は3月です。このため休講期間は年間3〜4ヶ月間となります。

    修了資格(取得できる学位)
    ディプローム
    専門大学の従来の学位ディプロームは、総合大学のディプロームと区別して、Diplom (FH) のように"(FH)"を付記して表記されます。修了試験はディプローム論文、筆記試験、および口頭試問からなり、その規定は州によって異なります。企業などにおける実際の業務の具体的な問題を論じたディプローム論文は、しばしば企業と共同で作成することもあります。極めて優秀な成績でディプロームを取得した場合は総合大学で博士号取得を目指せます。

    バチェラーとマスター
     専門大学でもバチェラーとマスターの学位を取得できます。専門大学で取得したディプロームは Diplom (FH) と記載されますが、専門の認定機関により、成績評価の形式上の要件が総合大学と同等と認められれば、"(FH)" はつきません。
     専門大学と総合大学とでは授業方針が異なります。専門大学の授業は応用・実践を指向したもので、それぞれ具体的な専門職に備えることに重点を置いています。しかし、今後は総合大学と専門大学の大学の授業方針の差は小さくなっていくと思われます。
     専門大学でバチェラーを取得すると、専門大学あるいは総合大学のマスター課程へ進めます。マスターは専門大学も総合大学も全面的に同等で、一般的に就職の展望にも差はありません。